数年ぶりに開いた本から、ちいさな紙が一枚、はらりと落ちました。
そこに描かれていたのは、とても上手とは言えない、つたないタッチで描かれたキャラクターのイラスト。鉛筆の線は所々ぼやけたりにじんだりしてしまっていて、きれいな状態とはとても言えません。けれど描かれているキャラクターが何なのか、わたしは一目見ただけで思い出すことができました。
思わず笑みがこぼれたのが、自分でもわかりました。
「なつかしいですね。こんなところにあったなんて……」
それはわたしの、大切な記憶のひとつを形どったもの。わたしという本の中に収められている、わたしが「ツンドラの歌姫」と呼ばれるようになるより前の、ちいさな物語のひとつに登場するアイテムでした。
***
「リッリエンヌー! 遊びにきたぞー!」
大きな音をたてて扉が開いたのとほぼ同時に、幼馴染のゆずが跳ねるように部屋に飛び込んできました。ベッドの上で本を読んでいたわたしは、ページを開いたまま、顔だけをゆずの方へ向けました。
「いらっしゃい、ゆず」
「ゆずね、今日トランプを持ってきたんだ! リリエンヌ、一緒にやろう!」
「では、セブンカードスタッドをしましょう」
「ゆずそれ知らないぞ」
ゆずはベッドの足元の方にぺたんと座って、トランプをシャッフルしはじめます。幼馴染のゆずは、わたしのことを「リリィ」という名前をもじって何故か「リリエンヌ」と呼びます。この変わった呼び方をするのは、いまのところ――いいえきっとこれからも――ゆずひとりです。
「リリエンヌ、ババ抜きしよ!」
屈託のないゆずの顔を見ていると、わたしはつい先ほどまで気分がふさいでいたことも忘れて、笑顔でトランプを楽しむことができるようになります。ゆずの太陽のような笑顔は、魔法です。わたしの心を、ぱっと明るく照らしてくれる魔法。
「ゆずたちのクラス、今日は運動会の練習でチアをやったんだ。つい楽しくなって宙返りしちゃったら先生に怒られちゃったけど、楽しかったぞ」
「ゆずらしいですね」
「ねえリリエンヌ、運動会、応援だけでもおいでよ」
「……でも」
「大丈夫! もし途中で気分が悪くなっちゃっても、ゆずがおんぶして、保健室まで運んじゃうぞ! リリエンヌ軽いから、楽勝楽勝、ねっ!」
わたしはゆずの笑顔に応えることができず、つい顔を俯かせてしまいました。
外の空気はすでに秋の香りをただよわせはじめていますが、夏以降わたしは、学校へ行くことができていませんでした。夏はわたしが最も苦手とする季節で、毎年長期にわたって学校を休まざるを得えない状態になります。小学校も五年間も通っていれば、こんなことにももう慣れっこです。けれど風が秋の色に染まりはじめてからも自室のベッドから起き上がることができていないのは、小学校に上がってからはじめてのことでした。
「じゃあ、アイス食べに行こ!」
「え?」
何が「じゃあ」なのか――と思って顔を上げると、いつの間にかゆずの顔が目の前にありました。いつの間に移動したのでしょうか。動作が遅く運動も苦手なわたしとは違い、ゆずは小動物のように動きが機敏で、ときどき気づくと思わぬ場所にいたりすることがあります。
「駅前に新しくできたアイス屋さん、いろんな味があって楽しいって、昨日テレビでやってたんだー! それ見てゆず、リリエンヌと一緒に行きたいなーって思った。だから行こ!」
「アイスはわたしも、すきですが……」
「じゃあ決まりっ! リリエンヌのお母さんにこれから行ってきていいか聞いてくるぞ! その間にリリエンヌは着替えておいてね」
「え、これから、ですか?」
わたしが言い終えたとき、ゆずは既に部屋にいませんでした。階段を下りる、軽快な足音が聞こえるのみ。わたしはゆるゆるとベッドから出ると、緩慢な動作で、寝間着を脱ぎはじめました。そしてクローゼットの中から、おそるおそる、一着のワンピースを取り出します。このワンピースに袖を通すのは、いったいいぶりのことでしょう。
洋服はわたしに、ときめきと活力を与えてくれます。すっかり身支度が済んで、ゆずが部屋に戻ってきたときには、ふさいだ気持ちが大分和らいでいました。
「それじゃあリリエンヌ、行こう!」
ゆずが満面の笑みで、こちらに手を差し出します。ゆずの背中に、一瞬、羽根が見えたようなきがしました。ゆずはいつも、わたしをここから連れ出してくれます。わたしの幼馴染は、鳥かごの中に自分から閉じこもってしまいがちなわたしに、外の世界を見せに連れていってくれる、ピーターパンのような女の子なのです。
駅前のアイス屋さんは、とても人気があるようで、ひとであふれていました。学校帰りらしい制服を身に着けたひとが大半を占めているようでしたから、夕方という時間帯も関係していたのかもしれません。
「うわー、すっごい混んでるね」
「……ゆず」
わたしはゆずのパーカーの裾をつかみました。自分の鼓動が早くなるのが分かります。わたしは情けないことに、ひとがたくさんいる場所があまり得意ではないのです。
「リリエンヌ、大丈夫?」
「ええ……問題ありません」
「リリエンヌは、あっちの公園のベンチに座って待ってて。ゆずがリリエンヌのも買ってくるから」
「ですが、ゆず、あの人混みは危険です」
「へーきへーき! じゃ、ばびゅーんと行ってくるぞ!」
わたしの肩を優しくぽんとたたくと、ゆずは本当に「ばびゅーん」という擬音が似合いそうな速度で、アイス屋さんの方へ走って行ってしまいました。わたしはひとの塊に背を向けて、よろよろと歩きだします。時々振り返ってみましたが、あまりにひとが多すぎて、ゆずの姿がどこにあるのかはわかりませんでした。
しばらく公園のベンチに腰掛けて休んでいると、軽快な足音が聞こえてきました。足音でわかってしまう自分がおかしくも誇らしくて、わたしはひとりでちいさく笑いました。
「リリエンヌー! お待たせ、アイス買ってきたぞー!」
満面の笑みを浮かべてこちらへ走ってくるゆずは、片方の手にアイスクリームを持ち、もう片方の手ではピースサインを作っていました。ついいましがたまできれいに結い上げられていたはずのゆずの髪は、人混みで戦ったからでしょう、いびつな形に崩れかかっていました。
「ゆず、無事でなによりです……!」
「もー、リリエンヌは大げさだぞ。はやくアイス食べよ! 溶けちゃう溶けちゃう」
そう言いながらわたしの隣にぽんと腰を下ろしたゆずは、わたしの両手にアイスを握らせました。三角形のコーンの上に、茶色と白でできた、マーブル模様のアイスクリームが乗っています。
「ゆず、あなたのアイスは?」
「あー、えっとー……」
ゆずは珍しく、語尾を歯切れ悪く濁して、目を泳がせました。ゆずは嘘がへたです。わたしが何も言わずにゆずの顔をじっと見つめ続けていると、しばらくして観念したのか、すこし恥ずかしそうに笑っていいました。
「実はゆずが持ってきたお金がたりなくて、リリエンヌの分しか買えなかったんだぞ。消費税の分、計算するの忘れてたんだ。ゆず、算数苦手だからさ」
「そうだったのですか、ゆず。では、わたしがゆずの分のアイスを買ってまいります。わたしもお小遣いを持ってきていますから。ゆずがわたしの分のアイスを買ってくれたのならば、わたしはゆずの分のアイスを買ってこなくてはなりません。それが筋というものです」
「だめだめ! お客さんいっぱいだったから、リリエンヌがあの中に入ったら倒れちゃうぞ。それに、せっかくのアイスも溶けちゃうよ」
そう言われて、手元を見ました。病弱で体力のないわたしよりも、ずっと儚いアイスクリーム。夏は過ぎたとはいえ、常温においておいたら、わたしがアイスを買ってここに戻ってくるよりも先に溶けてしまうことでしょう。
「では、このアイスはゆずが」
「だめだめ! リリエンヌに食べてほしくて買ってきたんだから、ゆずはいいの。だからリリエンヌが食べて、ね!」
「そうですか……では、つつしんでいただきます」
マーブル模様のアイスをほんのり、口に含みます。それはとろりと冷たくて甘く、同時にほんのりと苦く、ゆるやかにわたしの口の中で溶けてゆきました。
「おいしいです。これは、ウィンナーコーヒー?」
「ぴんぽーん! ウィンナーコーヒー味のアイスって珍しいよね。このお店見つけたとき、ぜったいリリエンヌに食べてほしいって思ったんだ」
「ほんとうに、おいしいです。ゆずも食べてみてください」
「いいの? じゃあ、いっただきまーす」
ゆずはわたしの方へ身体を寄せ、かぷりとアイスにかじりつきました。口のまわりにアイスをつけたまま「おいしい! でも、苦い! 苦いぞー!」と、足をじたばたさせます。ゆずは味覚がまだすこし子どもなところがあって、コーヒーの苦味はあまり得意ではありません。
「ウィンナーコーヒーがすきなリリエンヌは、やっぱりすごいぞ」
「すごいのは、ゆずですよ」
「へ? ゆず?」
ゆずはきょとんとした表情を浮かべました。ええ、そうです。そういうところが、ゆずのすごいところなのです。
わたしはゆっくりとウィンナーコーヒー風味のアイスを楽しみ、その間ゆずは学校での出来事やテレビで見た新人アイドルの話などを、ジェスチャーを交えながら、おもしろおかしくわたしに話して聞かせてくれました。
ゆずの話は、いつだって、どのような話題だって、とてもおもしろい。ゆずはわたしとは違った言葉を用いて話をします。それでもわたしはゆずの言葉で紡がれる話を心から楽しいと感じます。ゆずの言葉は魔法のようで、どんなに美しい小説よりも、きらきらと歌い踊るアイドルよりも、わたしに胸の高鳴りと幸福感をもたらしてくれるのです。
「あれ、ゆずちゃんだ! ゆずちゃーん、なにしてるのー?」
ちょうどわたしが食べ終えたアイスの包みを、公園の隅のゴミ箱に捨てに行っているときでした。ベンチに残ったゆずに、公園の外から声がかけられたのです。ランドセルを背負った、さんにん組の女の子。わたしやゆずの、クラスメイトです。大きく手を振る彼女たちに、嬉しそうな笑顔を浮かべたゆずは、ベンチから立ち上がって、両手をぶんぶと振りました。それぞれの名前を呼びながら、彼女たちの方へかけていきます。
「みんなで遊んでたの? ゆずたちも混ぜてほしいぞ!」
「遊んでたんじゃないよ、これから塾に行くところ。ゆずちゃん、ひとりでなにしてるの?」
「ひとりじゃないよ! リリエンヌと一緒にアイス食べてたんだー」
クラスメイトたちの視線がわたしの方へ向けられて、わたしは捨てようとしていたアイスの包みを思わず両手できつく握りしめました。わたしの周りの空気だけが、急速に冷えてゆきます。ゆずの姿が、クラスメイトたちの表情が、公園の輪郭が、次第にゆらいで、ぼやけて。わたしはその場にかがみこみ、かたく握りしめたままの両手を、胸に押し当てました。自分の鼓動だけが、わたし自身を責め立てるように、さわがしく頭の中に響きます。わたしは――どうしても――ごめんなさい――ゆず。
額にひんやりとしたものを感じ、わたしはゆっくりと目をあけました。
「リリエンヌ、大丈夫?」
「ゆず……」
からからに乾いた口から、わたしの顔を覗き込んでいる幼馴染の名前が、かろうじて呟かれました。片手にタオルを持ったゆずは明らかにほっとしたように息をつくと、眉をハの字に下げたまま笑顔を浮かべます。そうして、わたしが上半身を起こすのを、背中を支えるようにして手伝ってくれます。
「良かった。急に倒れたから、心配したぞ」
「わたし、倒れたのですか?」
「うん、公園で。外に出て、疲れちゃったかな。ゆずが誘ったからだね。無理させちゃってごめんね、リリエンヌ」
「ゆずの所為では、ありません。わたしが、弱い所為です」
わたしは自室のベッドに寝かされていました。ここまではおそらく、ゆずが背負ってきてくれたのでしょう。わたしは自分の不甲斐なさに泣きたい気持ちになりました。
「身体が弱いのは、リリエンヌのせいじゃないぞ」
「身体のことも、そうですが。ですが今回は違います。弱いのは、わたしの心の方なのです」
「……リリエンヌ?」
「こわいのです。わたしは、ゆず以外のクラスメイトたちのことが、こわいのです。身体も心も弱いわたしは、煙たく思われているのではないか、と」
周囲のひとたちは優しく、わたしが体調を崩せば心配顔で「大丈夫?」と声をかけてくれます。背中をさすったり、額に手をあてたりして、気遣ってくれるひともいます。けれどいままでに、学校以外の場所で一緒に時間をすごしてくれるようなひとは――いなかったのです。ゆずのほかには。わたしはクラスメイトたちから密かに「ツンドラの姫」と呼ばれていることを、知っています。冷たい氷で覆われた、触れ合うことのできない存在。自分たちとは違うのだと、一線を引かれた存在。
「わたしには、ゆずしかいません」
明るくてみんなの人気者であるゆずには、きっとわからないと思います。ひだまりのような彼女のそばには、いつもたくさんのひとがいて、ぽかぽかとあたたかい。けれどわたしは、そうではありません。
わたしには、ゆずしかいない。
ですからきっと、みんなの太陽のような彼女のことを、わたしはきっと独占したくなってしまうでしょう。たくさんの笑顔に囲まれたゆずを見ると、誇らしく思う反面、どうしようもなく不安な気持ちにもさせられるのです。わたしは、ゆずがだいすきです。けれど、そんな自分のことは――だいきらいなのです。
「わたしには、ゆずしかいません。ですがだからといって、ゆずを独占して良いという道理は通らないでしょう。とはいえわたしは、ゆず以外のクラスメイトと、うまく関わってゆく自信がないのです。わたしは、ツンドラのような存在だから」
そこでわたしは、口をつぐみました。こんなことを聞かされて、ゆずはどう思ったでしょうか。せっかくわたしを外へ連れ出してくれたというのに、このようなことになってしまって。わたしは大切な幼馴染に、心配や迷惑をかけてばかりです。
わたしは恐る恐る顔を上げて、黙ったままの幼馴染の方を向きました。
目が合うとゆずは、ぱっと太陽のように――笑ったのです。
「もー、リリエンヌは心配性だなー!」
ゆずはわたしの手をとると、言いました。
「大丈夫! みんなまだリリエンヌのことをあんまり知らないだけで、知ったらきっとリリエンヌと友だちになりたいって思うに決まってるぞ! だってゆずがだいすきなリリエンヌは、こんなに可愛くて魅力的な女の子なんだから!」
ああ、ゆず。
あなたはほんとうに、物語に登場する善き魔法使いのようです。ツンドラのように冷え切ったわたしの心に、あたたかなものを与えてくれるのですから。
「それにね、リリエンヌのことを『ツンドラの姫』って呼んでいる子たちって、リリエンヌのファンなんだぞ。リリエンヌが色白であんまり美人さんだから、氷のお姫様みたいって思ってつけたニックネームなんだって」
「そう……なのですか?」
「うん! だから絶対大丈夫だぞ! それでもリリエンヌが心配だって言うんなら……」
ゆずはポケットの中から、折りたたまれた手のひらサイズの紙きれを取り出しました。ルーズリーフを半分にカットされたもののようです。ゆずはそれを開くと、両手でわたしの目の前に差し出しました。
「じゃじゃーん!ゆずが描いた『えびぽん』だぞ!」
「えび……ぽん?」
「これ、最近ゆずたちのクラスで人気のキャラクターなんだ! リリエンヌは絵がすっごく上手だから、えびぽんのイラストを描いたらすぐにみんなの人気者になれちゃうこと間違いなしだぞ!」
ゆずはわたしの魔法使いであり、太陽です。
ゆずと一緒にいると、わたしまであたたかな気持ちになります。家の中に引きこもりがちなわたしも、ゆずとなら外に出てみようと思えます。ゆずと一緒ならわたしは、きっともう一度、学校へゆくことができるでしょう。そして自分から、わたしと周囲を隔てている氷の壁を取り除こうと勇気を出すことができるでしょう。
「ありがとうございます、ゆず。えびぽんの描きかた、教えてくれますか?」
「もっちろんだぞ!」
わたしは両手をのばし、ゆずをぎゅっと抱きしめました。ゆずは笑い声をあげながら、くすぐったそうに身体をよじります。ゆずのあたたかい身体を通して、わたしの心の中に、ちいさなひだまりが生まれたように感じました。
***
本を閉じ、わたしは幼い日のことを思い返していました。
ねえ、ゆず。あなたは知っていますか。
わたしにきっかけをくれるのは、いつもあなたなのですよ。レースやフリルで飾られた洋服をすきになったのも、再び学校へいくことができたのも、アイドルを目指そうと思ったのも。すべて、きっかけは、あなたなのです。
「リッリエンヌー! 準備できたぞー!」
大きな音をたてて扉が開いたのとほぼ同時に、幼馴染のゆずが跳ねるように部屋に飛び込んできました。ゆずのこういうところは、ちっとも変っていません。場所が自宅から寮の部屋に変わっても。ゆずがS4に、わたしが「ツンドラの姫」ではなく「ツンドラの歌姫」と呼ばれるようになっても。
ゆずはいつものS4の衣装ではなく、ショートパンツにパーカーといった、ポップな色彩のカジュアルな私服を身に着けています。わたしもいつもの学園の制服ではなく、襟のデザインが気に入っているワンピースを着ていました。ゆずとのバランスを考えて、スカートはいつもよりも短めで、ボリュームはやや抑えてあります。
「それにしてもびっくりしたぞ、リリエンヌから遊びに行こうって誘ってくれるなんて! ゆず、楽しみすぎて昨日はぜーんぜん眠れなかったんだ。ありがとう、リリエンヌ!」
「お礼を言うのは、わたしの方です」
「え? なんで?」
「……いえ、なんでもありません」
わたしはそっと、ゆずの左手をとりました。ゆずは一瞬、きょとんとした顔をしましたが、すぐに太陽のような笑顔になって、わたしに言います。
「今日は、リリエンヌがゆずをエスコートしてくれるの?」
「ええ、今日はクリームソーダが美味しいと評判の喫茶店へ行こうと思うのですが、ゆず、おともしてくれますか?」
「もっちろんだぞ!」
「では――まいりましょうか」
わたしは重たい部屋のドアを開け、外へと一歩踏み出します。
今日はわたしが、ゆずの手を引いて。
ページをめくって、新しいわたしとあなたの物語をはじめるきっかけを、つくるために。